尺・寸のモジュール(基本寸法)とは

2017-9-2 こんにちは 谷内隆一です。

☆☆ 尺・寸のモジュール(基準寸法、基本単位)のお話をしましょう。

 

☆尺貫法の優位性はあるのでしょうか?

木造住宅の施工者はほとんど大工さんと考えることができますが、

その大工さんの多くは尺・寸を使って施工をしています。

1959年、メートル法が法律化されて事実上尺・寸は使用禁止になりました。

しかし尺・寸はそれ以降も今日まで使用され続け、これからも大工さんの間では

使用され続けていく寸法でしょう。

設計者の多くは3尺を910mm として設計をしていますが、

3尺を909mmに置き換えて設計をしなければ複雑な形をした間取りや、

例えば円弧を描く間取りを設計した時には、大工さんは寸法を追えなくなります。

大工さんは墨を残す、または残さないでホゾ穴を掘るなど、細かな調整をするので

909mmが910mm になれば墨より太い誤差が出ます。

大工さんと一緒に仕事するには、着寸の寸法感覚を身につけ尺・寸はどうやって

生まれた寸法なのかを知る必要があります。

親指と人差し指を直角に開いたときに作られる親指から人差し指の長さを

「あた」と呼び五寸と決めていました。「あた」は寸法をあたるの「あた」です。

尺・寸は人間の指先から決められたヒューマンスケール寸法なのです。

☆尺・寸を基準にした寸法表は便利です。

基本的には尺・寸で木造住宅を設計してもらわなければ利用できないと思いますが、

ある寸法を決める時に悩んだらこの体系寸法表の数字を当てはめるか、

若しくはこの寸法表の寸法を使って高さや間取りをを決めてみることができます。

必ず居心地の良いヒューマンスケール空間ができるはずです 。

☆ 着寸体系寸法表を列挙してみますね。

5寸   15cm   床からコンセントプレートの高さ

 

7寸   21cm   バレーボールの直径

 

8寸   24cm   バスケットボールの直径

 

1尺2寸 36cm   ソファーの座る高さ

 

1尺5寸  45cm   事務用椅子の座る高さ

 

2尺    60cm   最小ドア幅

 

2尺1寸  63cm   パソコンデスクの高さの最低値

 

2尺4寸  72cm   標準的なテーブルの高さ

 

2尺8寸  84cm   流し台の高さ

 

3尺6寸   109cm  一般的な手すりの高さ

 

6尺6寸   200cm ドアの高さ

 

7尺     210cm  建築基準法の居室の天井高

 

7尺5寸   207cm   住宅で気持ちが落ち着く天井高

 

8尺     242cm   住宅の標準的な天井高

 

8尺4寸   254cm   住宅で開放感を与える天井高の最小値

 

おうちの打ち合わせをするとき思い出してください。

打ち合わせが楽しくなりますよ♫